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■アート ■絵のスタイル ■闇と光 ■生命と表現の原点 ■エネルギー ■現代アート ■個と全体 ■絵との出会い
■緊張感 ■マチエール ■最近のアート ■秋に想うこと


★アトリエからのメッセージ(3)★




04/03/18
[9]桜
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近ごろはずいぶん暖かくなってきましたね。各地で桜の花もほころび始めました。桜の花は今まで私たちに卒業や入学、出会いや別れなどたくさんのイメージを運んできてくれています。映画や小説、歌などの中で様々なかたちで表現されてきました。

桜が出てくる映画で思い浮かべるのは“桜の園”と“桜の森の満開の下”です。また最近では“さくら”というヒット曲もありましたね。それらの多くは、桜をどちらかというと散ってゆくはかなさに重点を置いた表現が多いように思えます。それは日本独特の散ることへの美しさというものから来るのかもしれません。

桜が散るのは本当に美しいのですが、満開の桜は私たちに惜しみ無くその美しさを咲かせてみせてくれます。誰もがその美しさに憧れ、その桜の木の下で花見の宴会を開いたり、私たちを楽しませ和ませてくれます。そしてそれらの宴が終る頃、桜の花は散ってゆきます。まるで私たち人間を楽しませるために生まれてきたかのように。そんな時私は、桜のように人を楽しませたり喜ばせたりすることが、絵を描くことでできているのだろうかと考えます。そして私は生きている間、どれだけの人にそれを伝えることができるのだろうかと。春になるといつも桜の花の美しさに感動し、元気付けられ力をもらいます。美しい花を見る喜び、人生に於いてはほんのささやかな喜びですが、このささやかな喜びを私は絵に託していこうと思うのです。






04/03/06
[8]これから
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ここ2〜3日また寒くなってきましたね。皆さん風邪などひかないように気を付けてください。私は今、ネイチャーファンタジーシリーズの絵を描いている途中ですが(ライブアートワークに載せているものです)、このスタイルの絵を描き始めてはや10年近くになろうとしています。描き始めた当初、20点ほど描くとこのシリーズのだいたいのイメージは描き終えるのではないかと漠然と考えていましたが、今回の作品でB2程度の少し小さいものを入れると、すでに21点目になります。1点描くのに3ヶ月以上かかりますので、1年に手掛けても2点から3点くらいのペースでした。私が当初考えていたイメージの絵は、あと月と海と生命をテーマにしたものを2点ほど残して、自分の中のイメージはほとんど描いたことになります。

私は私なりの森羅万象の世界を描いてゆく中に、モチーフとしていつかは人物を描こうと考えていました。自然を描く前は父と同じように人物を得意としていましたし、その頃は仕事でもオリジナルでも人物ばかり描いていましたので、人物を描くのは大好きなのです。しかし、このネイチャーファンタジーのスタイルをしっかりとしたものにするまでには人物は描かないと決めていました。また光と水の淡彩画もスタイルとして完成させたいと思っていましたので、なかなか人物に踏み出すことができませんでしたが、今年の宇和島での展覧会をこれまでやってきたひとつの区切りとして、その後人物を描こうと考えています。

人物をどういったスタイルで描いていくかを考えて考えて、もう10年以上になりますが、なかなかまとりませんでした。無理をして新しいスタイルを作るのではなく、今あるふたつのスタイル(淡彩画とネイチャーファンタジー)の中に人物を描いてゆくことがいちばんいいのではないかと思うようになり、このふたつのパターンで初めは描いていこうと思います。人物を描くことで自然の中の人間、自然と人の調和、そしてもっと深いテーマとしては、外なる宇宙(大自然)と内なる宇宙(心)などのテーマでイメージを出していきたいと思っています。

私の絵は今から17年前、初めに1匹の魚、その1匹の魚を納得ゆくまで描くということから始まりました。それは描くということのほかにもっと大事な自然や魚を理解することも含まれています。自然への理解なくして見る人を納得させる絵は描けないと思ったからです。私の絵はアクアリストとしての長い経験がベースになっているのは言うまでもありませんが、これなくしてネイチャーファンタジーも描けなかったと思います。魚とその環境にスポットを当てた絵からネイチャーファンタジーとなり、さらに進んで光と水の淡彩画が生まれました。そして私が描く森羅万象の世界に人物画が入ります。

人物を描いていく上でもスタイルはいろいろと変わっていくと思いますが、1本の中心、木の幹は変わりません。それは自然です。自然をテーマとしていくことです。今までは目に見える自然(宇宙)でしたが、人が入ることによって目には見えない自然、心の宇宙へとテーマが膨らんでゆきます。どう描くかは難しいことですが、解りやすく言えば精霊などをイメージした幻想画だと思っていただければよいかもしれません。人が生きていく上での喜びや苦しみ、喜怒哀楽を感じる心の宇宙の中で美しいものと出会った時の感動、心が震える時、それをひとつでも多く生み出していきたいと思います。





04/02/28
[7]水彩画
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水彩画には水と色が醸し出すハーモニーがあります。筆が紙から離れた時、自然に水が動き、静かに紙に染み渡りながら色を運んでゆきます。

水と色がまるで生きているかのように、水の結晶は人の心を写し出すと言います。水は私たち人間の鏡のようなものかもしれません。そして水はきっとあなたの描いてみたいという心に反応して色を運んでくれるでしょう。たとえその絵が見た目にはうまく描けなかったとしても、優しさがあふれているものだと思います。

人は絵を描く時、喜びで描いたならば水はそれに答えてくれるはずです。心静かな時は静かな色を水は運んでくれるでしょう。そしてそのメッセージは見る人の心の中にもきっと届くものだと思うのです。



 

玉神輝美のサイン