国産グッピー
グッピーほど原種の時から1匹1匹色彩が伴う魚も珍しいです。このようなグッピーの遺伝子は、身体の各細胞に23+23の染色体があります。しかし生殖細胞、つまりオスの精子とメスの卵子はそれぞれひと組の染色体を持っているにすぎません。受精がおこなわれて初めてふたつの細胞の核が解け合って、2組みの染色体を持つひとつの細胞になるのです。
今日私たちが見ているグッピーは1859年頃発見され、長い歳月をかけ数え切れないほどの交配、淘汰により固定化されてきたものですが、このグッピーの群れをひとつの水槽に放置していると、ものすごいスピードで衰え、退化へと向かっていきます。そこにグッピーの難しさがあり、誰もが繁殖できる魚ではありますが、誰もがその美しい形を維持できる魚ではありません。またこれらの美しいグッピーを作り出す上で、この何十倍、何百倍ものグッピーたちが淘汰されていったことを、私たちアクアリストは忘れてはならないと思います。 |