1986年、この天野さんのレイアウトはシンプル is best を象徴したようで、すばらしいものでした。巷ではダッチアクアリウム(密植水槽)が少しずつ浸透してきた頃で、水草を心ざすものは密植水槽に夢中になっていた頃です。そんな時、それとは正反対のレイアウトに新鮮な驚きとショックを受けました。私はこのレイアウトから天野イズム、いわゆるネイチャーアクアリウムのコンセプトが生まれてきたように思えます。
天野さんのレイアウトでひとつを選ぶとすれば、現在はこれ以上に技術的、鑑賞的にもすばらしいレイアウトがたくさん出ていますが、ネイチャーアクアリウムの象徴として、そしてこれまでは日本がヨーロッパの模倣から抜け出すことができずにいた状況から一気に日本のオリジナルブランド(ネイチャーアクアリウム)の扉を開いた記念すべき作品として、このレイアウトをあげさせていただきました。
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